北海道大学の薬学部ってどんなところなんだろう…
いいところなのかなぁ…
北大薬学部?俺に任せなぁ!
北大薬学部薬学科を卒業して薬剤師として働いている、いるかと申します。
色々とやっていたら北大薬学部卒業していました。
とても嬉しいです。卒業できたこと自体というより
もう薬学部に行かなくていいんだ!
という安堵の気持ちが大きいです。
思い出しつつ書いてる部分もあるので、今後も詳しく書き足していこうと思います。
受験を考えている人はぜひ参考にしてください。
6年制(薬学科)の部分はいるかが、修士(薬科学科)に関してはしゃちが書いてます。
ちなみに研究室の地獄具合はこちらの記事で。
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理系ラボあるある[地獄]
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学部1年生編
北大のややこしいところなんですが、1年生の時は学部が決まっていない人が大多数です。
後期入試では学部を決めて入試を受けますが、それでも学科は決まっていなかったりします。
そのため、前期入試か後期入試かで学部1年生の生活が変わってきます。
総合理系、総合文系
総合入試で入学した人は学部が決まっていませんので、
薬学部だろうが医学部だろうが法学部でも
成績さえ良ければ選ぶことが出来ます。
移行点のシステムはややこしいので詳しくは解説しませんが
成績1位を取れば本当に好きな学部に行くことが出来ます。
成績順に希望の学部に配属されていくことになりますので
人気学部に行くためには高い成績を取る必要があります。
薬学部は医学部・獣医学部・農学部に次ぐ人気ですので結構勉強は頑張らないと入れません。
私の年度の場合は
不可・可・良・優・秀の5段階評価で、不可=0、秀=4でカウントされて
移行点に算出される講義の成績を平均された点数順で割り振られていくのですが
薬学部薬学科はたしか3.7以上必要だったと思うので、かなり大変でした。
(秀をほとんど取らないといけない)
私はそこまで要領がよくないので土日を犠牲に
サークルも入らず必死に勉強してなんとか3.77ぐらいの移行点でした。
周りがきゃいきゃい大学生をしている中で勉強をするのは辛かったです。
ちなみに今は11段階評価のはずなのでより大変かもしれません…
後期入試
後期入試の場合は薬学部というのは決定していますが、学科が決まっていません。
どうやって決めるかというともちろん1年での成績順で選んでいきます。
年度によって薬学科・薬科学科の人気具合は異なりますが
だいたいは資格を取ることの出来る薬学科が人気なので
学部が決まっているからと言って、免許が欲しい場合は遊び惚けることは出来ません。
まあ学部は決まっていますので、その後期入試同士で集まって仲良くなることは出来ますね。
2年生編でも語っていますが、そこで総合入試と後期入試組との壁がなんとなく出来ます。
私は色々ありまして、あまり後期入試組とは仲良くなってないです。
学部2年生編
総理と後期入試との壁を感じる
先ほども言った通り薬学部とひとくくりに言っても
総合入試から2年生で薬学部に入ってきた人と
後期入試で1年から薬学部所属が決まっている人がいます。
後期入試の人たちは、1年生の頃から薬学部生どうしでつるんだり先輩と親交を深めることが出来ます。
一方で総合入試では1年生の時は移行点戦争に巻き込まれ(後期入試でも薬学科か薬科学科への移行は移行点戦争)ます。
(移行点について詳しくはこちらの記事から)
薬学部に移行しようとは思っていてもホントに移行出来るか分からないので
総合入試の人は1年生の頃から薬学部生としての繋がりを持つことは非常に難しいです。
そのため2年生となって薬学部としての勉強が始まった際には後期入試勢はすでにグループが出来上がっており
そこに総合入試勢が合流するか、あらたにグループが創生されていきます。
最初は何とも言えない壁を感じていました。
まあ本当に気が合う人を探すのはいつだって難しいですけどね。
薬学祭でもそんな仲良くならない
北海道大学では楡陵祭(ゆりょうさい)という初見では読めない学祭を6月あたりに開催します。
本州だと10月とかだと思いますが、北海道の場合寒すぎてお話にならないので結構早めにやるわけですね。
楡陵祭では1年生の50クラス程度と海外の方の出店、サークルの出店などに加えて学部としての出店を出したりします。
薬学祭というのはそれを指して言っているわけですね。(昔すぎて忘れましたが多分そうです)
中高の学祭と内容はそんなに変わらず、結局は仲いい人たち同士のグループでなんやかんややる感じでした。
まあそんなもんですね。
前期は講義だけなので比較的楽。
2年生の前期、薬学部唯一の遊べる期間です。
講義はありますが、そこまで詰まっているわけでもないので遊ぶ余裕があります。
まあ私の場合はめっちゃ仲良しな友達をこの時点で作れていたわけではなかったので
家でマリカーしてました。
はやいこと友達を作ったほうが良いです。
サークル入るなりしておきましょう。
後期から、フルコマ・レポート地獄
2年生の後期から薬学部の闇の顎が開きます。
午前中が講義で、午後がすべて実習で埋まります。
月火水木金フルコマです。
検閲された文章みたいになってますが、さすがに先生の名前などを塗りつぶしているだけです。
まあ18時までがっつり毎日実習が続くわけではありませんが
日によっては22時ぐらいまで実習の闇に呑まれることもしばしば。
そして帰宅後、土日などはレポートに時間を割くことになります。
ここらへんで私は一回心が折れかけました。
折れて他の学部に行った人も実際にいました。
仕事をしている今見てみると拘束時間が仕事より長いですし恐ろしいですね。
学部3年生編
前期も引き続き地獄
まあほぼ2年の後期と変わりません。
講義、実習、レポート、テスト、絶望。
ちなみに右下に講義室が書いてありますが2年次の第一講義室は激狭です。
コロナ禍であれば完全にアウトな密集具合でした。
臨床講義室はまあまあ広いので隣1席は荷物おきに使えるくらいです。
学年が上がったんだなぁと地味に感じられましたね。
最後の夏休みがある
ホントに最後の夏休みとなります(就活休みは除く)
研究室に入ればほんとに長くて2週間、たいていは1週間もらえれば僥倖です。
研究の進行具合や、研究室、指導教員などにもよりますが、休みをもらうことも一苦労です。
有休をとるというわけでもないのに、2週間のお休みを取ろうとすると
…え?そんなに休んでどうするの?研究はどこまで進ませる気?
と軽く圧をかけられます。
そういうことで、3年生は最後の夏休みを謳歌しておかなければ後悔することになります。
この夏休みの間にどこの研究室に配属されるか決定されますので
配属日が近づいてくると結構ドキドキしてました。
ちなみに私の年度だと、希望研究室を書類に書いて直接教務に提出しなければならなかったので
夏休みに入る期間を考えないとだめでしたし、研究室の配属結果も学部の掲示板に張り出されて
研究室毎の集合時間などもそこに張り出されるので
誰かが学部に行って写真を撮ってグループLINEに張ってくれないと
何も確認できない状態でした。
ホントに旧態依然の体制という感じですね。今はどうか分かりませんが。
後期から研究室に配属される(ホワイトor闇)
研究室に配属されて研究を始める訳ですが
当たりはずれ、あります。
終電まで実験するのが当たり前の研究室から、夕方には誰もいないような研究室までピンキリです。
ただ、どちらかというまでもなく闇の研究室の方が多いです。
ホワイトなんて片手の半分で数えられます。
というか私が知っているちゃんとしたホワイト研究室は卒業するころくらいには潰れましたのでもう終わりかもしれません。
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理系ラボあるある[地獄]
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学部4年生編
研究室の闇に気づき始める
まあなんやかんや3年生の後期に配属された当初はお客様ムードがあるのである程度は優しくしてくれます。
スタッフ陣も一応霊長類なので、可愛い3年生には優しくしたくなるものです。
ただ研究室生活が進むにつれて、生徒と教授陣との研究への熱意や実験量などで意識の差が生まれてきます。
生徒からしたら、講義の間に研究をしてますのである程度そこらの配慮を必要としますが
教授陣はそんなことはお構いなしです。
研究室にいない時間は休んでいると思っていらっしゃいます。
事前実習のための事前のお薬テストが鬼門
どんだけ事前に準備するねんって感じですよね。
実務実習においては現場で薬剤師の役割や仕事を学ばせていただくことになります。
ですので、なんの前知識もないと見につきませんし迷惑をかけることにもつながります。
なので事前実習はもちろん必要なのですが、事前実習の前のお薬テストが大変です。
現場でよく使われる医薬品をリストアップしたものを渡されるのでそれの
- 一般名
- 商品名
- 適応症
- 作用機序
- 規格
- 用法用量
を覚えろっていうわけですね。たぶん数百個あったのでかなりしんどかったですね。
ただ国家試験においても医薬品の名前や作用機序などはある程度把握しておいた方が良く
このテストのおかげで薬の名前を見ると大体は何の薬か分かるようになりました。
薬剤師になるために薬学部に来てるので、これは目標に直結している感じがして、大変でしたがやりがいはありましたね。
学部5年生編
薬局実習は給料が欲しくなる
薬局実習に関してですが楽しいのは楽しかったですが
実質働いてるみたいなもんでしたので給料欲しかったですね。
実際私が働いている調剤薬局も実習生を戦力に数えていますし
私が実習に言っていた店舗でも私の実習終わりの日に
「これでまた忙しくなっちゃうね」
と薬局長に言われたのをよく覚えています。
もちろん学ばせていただくことも多く、色々と国家試験の勉強法や就職先などについてアドバイスをもらったりして
大変実のある実習ではありました。
とは言っても、一包化をひたすらしていたり調剤をひたすらする日も実際にあったわけで
こんなんバイトやん、と思いつつ実習に行っていたのも事実です。まあ楽しかったですけどね。
実際に薬局薬剤師として働いていて実習生を迎えている今の立場となっても
実習生は実質戦力として数えられています。
病院実習は勉強になる
就活休みを全力でもぎ取る
就活先がドラッグストアであろうが企業であろうが公務員であろうが、休みは必要です。
ただし、就活休みを当然もらえると思っていてはいけません。
あくまでも、研究が第一目標でその合間を縫って就活を行わせてあげている
という教授、スタッフ陣のイカれた認識に合わせた行動をとらなければいけません。
最初はコアタイム内にエントリーシートを書くなどのジャブから始めて
インターンに参加するために平日2,3日休みを頂き
実質就活解禁の3月から6月程度まで2,3か月の休みをもらいます。
これは結構長いほうで、素直な子は就活終わり次第ラボに戻り研究にいそしみます。
もちろんわたしは就活を終えてゆっくりしてから、
ふぅ~~、就活マジ大変で…こんなに時間かかっちゃいました…
感を出して戻りました。
修士1年編
合法的に研究室を抜け出せる授業が楽しくなる
研究室に配属になると、生活の中心は研究室になります。
そのため遊びに出かけたり、他研究室の人と交流したりといった機会が少なくなり
研究室の閉鎖的コミュニティで一日の大半を送ることになります。
そんな中、研究室を抜け出して授業を受けに行けるとなると
学部のころは面倒だった授業も一息つける時間となります。
授業も比較的自由に好きなものを選べるため、うきうきと授業へ向かうこととなります。
特許に関する講義から死因究明学、脳解剖実習などいろいろあってほんとうきうきします。
教授も個々人の授業を把握してないので授業と称してさぼってる輩もいます。束の間の自由です。
学会発表・論文投稿し始める
学部からやってきた研究がちらほら形になるころです。
みんな学会発表したり、論文を投稿し始めます。
生物系だと薬学会の支部例会が鉄板で、毎年数人は賞をもらってます。
データがたまってきた段階で「次、この学会出たくない?」と発表させられるパワハラを受けることができます。
学会は発表は準備が大変ですが、聴講だけならいろんな話を聞けて結構面白いです。
全国規模の学会は実質コミケです。
インターンシップで研究室を抜けがちになる
日本の悪しき風習(偏見)、インターンシップが始まります。
採用とは無関係とは名目でばりばり直結してくるので一大イベントです。
研究室を休まなくてはいけませんが、いかに教授から許可をもらうか小賢しく画策する必要があります。
2年しかない修士生活ですが、半年就活でつぶれるのはざらで、1年就活でつぶす猛者もいます。
学部6年生編
薬局、ドラッグストア就活は非常に楽
薬剤師の薬局就活は売り手市場です。
高齢化も相まって医療の需要は高まっていく一方ですし、薬局やドラッグストアは拡大傾向にあります。
薬剤師がいなければ処方せん医薬品は売ることが出来ませんので、店舗拡大に合わせて薬剤師もその分雇わなければいけません。
私が実習に行っていた某大手ドラッグストアでは、店舗を拡大していく一方で薬剤師が不足しているので、薬局長がめちゃめちゃ大変そうにしていました。
その割にお偉いさん型は、20xx年までに店舗を何万まで増やします!
などと言っておりなかなか闇を感じました。
それはさておき、需要がある薬剤師ですので、薬局就活においてはきちんとしたマナーを身に着けて最低限の準備をしておけばまず大丈夫です。
とは言え、10,20年後には薬剤師が余ってくるみたいな話も出てきているので薬剤師になった後も勉強は必要ですね。
製薬企業などの企業就活は普通に就活
卒業発表1,2か月前はだいたい地獄
卒業発表(12月)終わってからが国試勉強始まる
北大の6年生の卒業発表は12月頭にあります。
国家試験は2月末にありますので、約3か月弱しか勉強に集中できないこととなります。
研究室においては国家試験勉強などはコアタイム外にやれと言わんばかりの雰囲気ですので
自分でアフターファイブや休日にコツコツやっておく必要があります。
やっとかないと12月以降地獄となります。
薬〇ミの方が模試の成績がどうだったか、みたいなことを話に来ていただいてましたが
北大の人はホントに時間がないのは分かりますが
実験の待ち時間などを有効に使ってコツコツ勉強してください!
と言っていたのを覚えています。
ちょっと腹立ちましたがその通りですし、悪いのは北大なので薬ゼ〇の人は何も悪くないです。
まあ僕みたいなポンコツではなく優秀な人が多いのでそれでもほとんど合格しちゃうんですが。
(毎年落ちても2,3人。あいつ落ちたらしいよ?え、そうなん?!という会話があるくらい合格して当たり前の雰囲気)
そんなんだから卒業発表が12月になるんだよ!
3月に全力で遊ぶ
院生の場合も修論発表会が2月末や3月頭にあり、B6も国試が2月末にあるため、真に自由になるのは3月です。
その3月はそれはもうこれまで感じたことのない自由を感じることになります。
まあ4月から就職ですので、引っ越しなどの準備があったりして完全に遊びつくすことは出来ないですが、卒業旅行には行けます。
私の場合はまあコロナがどうだということで全然いけませんでしたが。
修士2年
就活が長引いて研究のあれこれを忘れる
修士2年の春は博士進学者以外はほとんどが就活で頭がいっぱいになります。
だいたい6月の頭に就活を終える人が多い印象です。
インターンと合わせると3~6ヶ月研究を離れるわけで、自分の研究の詳細や実験の細かいプロトコールを忘れがちです。
就活モードから急に研究中心の生活に戻るのでやる気がでない~という人が多く出て生産性を取り戻すまで時間がかかります。
研究に忙殺される
就活が終われば院生活も大詰め、研究をまとめる必要が出てきます。
テーマを閉じるか誰か別の人に託すかを決める必要があり、そのために決めのデータを取りに行くことになります。
しかし研究室内でも上の方の学年となることもあり、後輩の面倒を見たりTA業務をしたり、ラボ運営にかかる雑用をこなしたりと自身の研究外の仕事が押し寄せます。
その上、修士論文も書かなければいけないのでかつてない激務となります。(スタッフの先生方は常時これ以上の激務をこなされてますが、人間ではないです。真似したら死にます。)
修論発表・修論提出が終わった後は自由です。
これまでの全てに感謝して遊びまわります。
まとめ
とまあ、怒涛の6年間を送ることになります。
北大生はなんやかんやで優秀なので、2,3人はドロップアウトすることもありますが
ほとんどがストレートで卒業していきます。
私はギリギリ薬学部入れた口なのでかなりしんどかったです。
特に総合理系にギリギリ受かって、1年必死に頑張って薬学部に入ってそこからまた頑張るのはかなりしんどいです。
ただ、周りの子たちは優秀でそれゆえに辛いこともありますが、それゆえに色々と学べることもあるし成長出来ることもあります。
私は研究室大嫌い丸だったので卒業して清々していますが、同期には恵まれたなぁと思います。
試される大地で一緒に苦難を乗り越える分、絆は深まる気がします。
薬学部を狙っているみんな!!がんばれ!!!
薬学部に入ったみんな!!!!ドンマイがんばれ!!!
薬学部を卒業したみんな!!!!逃げ切ったな!!!
以上、いるかとしゃちがお送りしました。
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